町に生えている植物を見ると、 その形や生え方がとてもおもしろいことに気付かないかい?たとえば、
- ひび割れたコンクリートのわずかなすきまから顔をだしているもの
- 溝の穴に ぎっしりつまっているもの
- 電柱によりかかっているもの
- リズム良くならんで生えているもの
それらの姿はとてもユニークで、どこか人と似ているような気がするね。
そこで、身近にいる草たちに親しみを込めて「まちくさ」と呼ぶことにしたよ。
まちくさをはじめて見つけた人
京都に住むアーティスト、重本晋平さん。
彼はまちくさ博士と呼ばれています。
博士は日々まちくさを研究し、日本全国の町へ旅に出てまちくさの図鑑や地図などを作っています。また、まちくさの楽しさを広げるためにワークショップなども行っています。
ある日、道を歩いていると道のひび割れたすきまから顔を出している「草」に目がとまりました。
それは、いつもは気にとめない「雑草」でしたが、わずかな隙間からこっそりと生え出ている草のけなげな姿に見とれました。それからというもの、町の中に生えている草たちを観察するようになりました。
一般的にそういった草たちは「雑草」と呼ばれています。雑草とは「畑」や「道路」や「学校の運動場」などに勝手に生える草のことです。人の役に立たないこの草たちは、みんなに邪魔だと思われています。
でも草たちは「強い日ざし」「水不足」「やせた土地」「人の踏みつけ」それから「定期的な草かり」などにも負けず力強く生きています。そしておもしろいことに、人から必要とされない雑草は、人が作った環境の中でしか生きられない「人とよりそって生きてきた植物」だと気付きました。
町のすきまをぬうようにして生える草たちは一つとして同じ物はありません。その独特の「生え方」や「生える場所」から、町に生える草にも「雑草」とは別の新しい名前を付けてあげたいと思いました。
これが私と「まちくさ」との出会いです。